【令和2年度】FD実施報告書
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7 (2) 総 括(10(1)を踏まえFD全体の総括を記述する) 障害のある学生に関する合理的配慮依頼文書の発行数が年々増えており,令和2年度には82通に達した。このため,より多くの教職員の手もとに配慮依頼文書が届き,合理的配慮の実施について戸惑いを感じる教員が少なくないことも,以前の支援室が実施した調査結果で明らかになっている。FD・SDで合理的配慮依頼文書を取りあげることで,合理的配慮に対する認識及び合理的配慮の実施に関する教職員の自信が向上するとともに,大学が提供する合理的配慮の一貫性の促進にもつながると考えられ,実施に至った。 今回のFD・SDは76名が受講証明書を申請し,そのうち48名(63.2%)から受講後のアンケートに回答があった。プログラム内容について,全ての評価項目において80%以上の受講者から肯定的な回答(「大変そう思う」または「そう思う」)が得られたことから,有用であったことが示された。 一方,とくに「合理的配慮に関する疑問が解消した」および「合理的配慮に関する考え方が明確になった」という項目において,一定数の「どちらでもない」または「そう思わない」という回答が寄せられたことから,依然として合理的配慮に関する不安や戸惑いが根強く残っていることが浮き彫りになったといえる。合理的配慮依頼文書に特化したFD・SDは今回が初めてであったが,今後もこのテーマに関する講習や啓発が必要であると考える。その必要性は受講者の「具体的な対応の例を知りたい」などといったコメントにも反映されていると思う。 また,これまでに障がい学生支援室に寄せられた相談やコメント等にもあったが,合理的配慮は学生個々の状況や状態に応じて検討・実施されることになっていることから,「合理的配慮の考え方」が示されていても,明確な基準が存在するわけではなく,ある程度その都度の状況等に応じて判断する必要があり,その曖昧さが教職員の不安等につながっていると考える。今後も,その不安等を解消するためにも,合理的配慮にまつわる認識と理解が全学的にさらに浸透するよう,引き続きFD・SDを実施していきたいと思う。 11.実施代表者の連絡先 部 局:障がい学生支援室 職 名: 助教 氏 名:ピーター・バーニック e-mail: bernick@nagasaki-u.ac.jp 内 線:2006 12.申請者の連絡先 部 局:(同上) 職 名: 氏 名: e-mail: 内 線:

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