【平成29年度】FD実施報告書
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5 (文責:花堂) た」と思わせる面接になるためにどのようなことに気を配るべきなのかについての説明があった。続いて,動画で実際の面接を比較した。ありがちな誤った採用面接の様子と,掘り下げ質問で対象者の深い部分まで踏み込んだ面接の様子の二種類を比較し,参加者は後者の面接での掘り下げ方と,そこから評価できる受験者の資質を確認した。続いて,参加者でペアを組み,受験者と面接員というシチュエーションで交互に掘り下げ質問のロールプレイングを行い,受験者を引き出す質問の難しさを体験してもらった。その後,感想についてお互いに出し合い,さらに全体への共有を図った。最後に質疑応答を行い,FD内容だけでなく,実際の面接においての疑問や困りごとについて講師に答えてもらうという流れで各回実施した。 参加者からのフィードバックでは,全体としての満足度では「あてはまる」「ややあてはまる」の合計で95.7%,テーマ・内容の設定についても同様に95.7%と,高い満足度が得られた。一方で,「今後の授業実践に活かせる内容であった」に関しては,ポジティブ回答が73.9%とやや低く,「ややあてはまらない」との回答が1名,「あてはまらない」との回答が2名あった。当該回答者の自由記述は「非常にためになった」との意見となっていることから,これはアンケート設問が「授業実践」となっていたためではと推測されるが,今後の実施では入試だけではなく授業実践においても役立つような内容を取り入れた企画を検討していく。 運営に関しては,動画再生がうまくいかず一時中断したり,プロジェクターの音がうるさすぎたりといった会場設営上の不備に加え,日程設定に対する指摘・要望もあり,やや満足度が低くなった。開催時期設定・会場確保は課題である。 自由記述では,非常に有益であったという意見とともに,1回目の開催では,動画再生が一時中断する不具合があり,十分に質疑応答の時間を確保することができず,これに対する要望が寄せられた。また,日程や開催時間に対する要望も寄せられた。これらは,今回実施した内容に対する評価の高さとも受け取るとともに,次回以降の開催に向けて改善を検討していきたい。 今回の実施にあたっては,短い広報期間かつ学期末の開催であったにも関わらず,他大学や坂本,片淵キャンパスからの参加者を含め,30名を超える参加となった。また,日程が合わず参加できないが,資料だけでも欲しいという要望も10件近く寄せられ,テーマへの関心の高さがうかがえた。 今後のFDへの要望として,「入試の作問と点検のFD」というものがあった。これらについても,これまで学部教員に任せきりになっている部分が多く,反省すべき点である。入試に関して各学部が積み上げてきた暗黙知を形式知として全学への共有を図るような取り組みを今後は強化していきたい。

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