2018合同シンポジウム原稿_0902
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新しく制定されたカリキュラム・ポリシーでは教養教育および専門教育において汎用的技能を伸張するとしており、そのためには各授業において伸びることが期待される汎用的能力(学士力)が何か,そしてそれらをどのように評価するかを明確化することが必要となる。さらに汎用的技能の伸張にあたってはアクティブ・ラーニング(AL)を促す手法を積極的に授業に取り入れることが重要である。「教育の質の向上」を目的とし、ディプロマポリシー(DP)を基軸とする教学マネジメントシステムを確立するために、学修成果の可視化に向けた支援ツールとして「授業アンケート」「シラバスシステム」「学修状況報告」「学修ポートフォリオ」などが挙げられ、順次、改訂・システム改修などの対応を行っている。 3.2.1 授業アンケート項目の検討および実施 近年、「何を学んだか」ではなく「何ができるようになったか」が強調されるようになってきている。これに伴い、従来実施していた「学生による授業評価」を、学生の学修の振り返りを促す内容を主とした回答項目に改訂した。また、実施形態も従来マークシート方式での回答をWebアンケート方式に変更し、図-3のような流れとした。さらに、この授業アンケートは、学生の学修の振り返りが目的であるため、少人数クラスも含め全授業において実施している。 図-3.授業アンケートについて 3.2.2 シラバスシステムの改修 本学では、教養教育だけではなく専門教育を含めた学士課程教育の中にALを位置付けることとしている。 平成27年度、AL型授業の実施実態を把握するために、シラバスに「ALレベル」という指標を独自に設け、実態を把握するとともに、学生への「見える化」を実施していた。ただし、ALに関しては、単なる表面的な活動ではなく、学生がしっかりと深い学びを行っているかどうかが重視されていることなども考慮し、「学生の思考を活性化する手法」としての再定義を行った(図-4)。この再定義においては、学生の活動範囲やALの技法の構成によって分類することとした。この再定義による授業方法の記述や平成29年度からシラバス記載に関し、公表された3ポリシーに対応した各科目の到達目標の記述、知識・技能以外の「主体性・協働性・汎用的能力などの身につかせる力」の提示も含め、シラバスシステムの改修を行った。 図-4 思考を活性化させるための授業手法 これらのシラバスの内容及び前述の授業アンケートの回答により、シラバスから得られる授業方法(ALの技法の種別)について、俯瞰的にとらえるだけではなく、取り組みの成果を評価できるように、学生・教員相互においてPDCAサイクルを

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