2018合同シンポジウム原稿_0902
3/8

(3.38)、授業に参加しているという感覚が持て (ウェブ上のリソースや参考文献等の紹介)などを整備し、授業内外で随時参照できるようにしている。(参考資料) この教員・学生向け支援ツールの開発の他、アクティブ・ラーニングに関するFDを実施してきた。こうした取り組みもあり、全学モジュール科目を中心とした教養教育では平成29年度には、アクティブ・ラーニングを導入した授業科目の割合は本事業開始当初の70%から85.3%へと、また学生1人当たりのアクティブ・ラーニング科目受講数も9.9科目から14.5科目へと増加した。 さらにモジュール科目を担当する教員へのアンケート調査では、全学モジュール科目のアクティブ・ラーニング科目のうち、それが成功している割合は本事業開始当初の56.3%から84.6%へと目標値を超える成果があった。現在、クォーター制科目として展開されているが、クォーター制は、授業設計は難しいものの、2コマ連続であるためにグループワークなどはより効率よく展開できるようになったとの意見もあり、今後、さらにアクティブ・ラーニングが促進されていくものと予想できる。 本学のアクティブ・ラーニングが着実に推進されているかを検討するため、大学教育学会課題研究「アクティブ・ラーニングの効果検証」に参画し、全学モジュール科目を履修した学生を対象として、成績、記憶定着率、学習意欲、深い学習へのアプローチ(振り返る、仮説を立てる、身近な問題に適用する etc.)などの項目について、授業内のプレ・ポスト調査(質問紙調査)を行った。深い学習アプローチ、積極的関与、継続意志は、全国平均と比較(N=3500程度)しても大差はないが、授業の前後において、アクティブ・ラーニング型授業の効果は表れているという知見は得られた(たとえば、学習内容の理解が深まったた(3.55),学習へのやる気が上がった(3.21)など)。大学IRコンソーシアム学生調査においても、学生の主体的学びを促している授業の証として「授業で検討するテーマを学生が設定する」授業の割合や「入学時に比べて批判的に考える能力が伸びた」と回答した学生の割合も年々上昇し、アクティブ・ラーニング科目に対する評価もよくなったといえる。 また、アクティブ・ラーニング科目への教員の参加割合(通暁した教員の割合)についてみると本事業導入前の時点での参加率は86.8%であったが平成29年度では96.7%と着実に増加し、専門教育を含む学士課程教育全体に効果的・効率的なアクティブ・ラーニングの浸透がみられ、大学IRコンソーシアム学生調査でも、「実験、実習、フィールドワークなどを実施し、学生が体験的に学ぶ」、「学生が自分の考えや研究を発表する」、「授業中に学生同士が議論をする」、「授業の進め方に学生の意見が取り入れられる」といった授業の割合が上がっていた。このことから、より多くの教員がアクティブ・ラーニングを取り入れるようになってきているものといえる。(参考資料) 本学では平成25年に教学IR の部署を設置している。学生の学修行動・学修成果を包括的に可視化するため、入試データ、授業評価を含む教務データ、学生生活調査等の大規模調査を含む学生データ、就職データ、卒業生・就職先等の調査を含む卒後データなどを一元的に収集・蓄積し、分析を行うシステムの整備を進めている。これにより、学士課程教育全体の文脈で教養教育の役割と課題が明確になるとともに、本事業の成果を多方面から確実に把握し効果的な改善施策に繋げることができる。同時に、全学モジュールの内容構成や科目間の有機的体系化の改善を図ることができる。 具体的には、新しく策定した3ポリシーに合致した直接的および間接的評価ツールの開発を進めると同時に、このポリシーにもとづいたPDCAサイクルをまわすために、入学から卒業までの一貫した教学マネジメントの構築を行っている。 3-2学修成果の可視化

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る